戌井さんと作ってきた『悪魔くん』は、残念ながら打ち切りになってしまいました。
もしかしたら村井家以上に苦しい状況にある戌井さんが、それでもなお、水木漫画の可能性を信じて疑わない熱い思いが響きました。
今では知らない人はいないというほどの、水木漫画。
こんなにも不遇の時代が長いとは…。そんな時代を共に戦ってきた人の存在は、どれほど大きかったかと思います。

戌井さん… これで終わりじゃないよね。
69話のあらすじ(ネタバレ)
戌井 (梶原善) は、売れ行き不振のため『悪魔くん』を打ち切りにさせて欲しいと、茂 (向井理) に頭を下げた。また原稿料も約束の3万円が用意できず、北西出版の苦しい経営状況を物語っていた。
玄関先で見送る布美枝 (松下奈緒) に戌井は改めて謝罪し、自分の資金力があれば『悪魔くん』という名作を、世間が認めるまで出し続けることができたのにと無念を口にする。
そして「水木漫画はいずれ必ず世間に認められるはずだ」と力強く語り、村井家を後にした。
布美枝が居間に戻ると、茂は戦艦模型づくりにふけっていた。布美枝は、こみち書房で政志が言った「どうしようもないときこそ熱中するものが欲しくなる」という言葉を思い出す。
布美枝は、茂がまだ幼かったころ、故郷の境港で見た連合艦隊の下士官との思い出話を聞きながら、茂と並んで模型づくりの手伝いをした。ようやく茂の胸の内がわかるような気がした。
5巻の長編漫画として計画していた『悪魔くん』は、次の3巻で完結しなければいけなくなり、茂は物語の展開を大幅に変更せざるを得なくなった。
茂の隣で仕事を手伝っていた布美枝は、悪魔くんの突然の死に胸を痛める。世の中を良くするために必死に戦ってきたが次々と困難が降りかかる悪魔くんに、茂の姿が重なった。
しかし茂は最後のページに「悪魔くんは7年後に復活する」という希望を残し、ほっと胸をなでおろした布美枝だった。
作品情報
- 放送期間: 2010年3月29日 〜 9月25日
- 制作局:NHK
- 脚本:山本むつみ
- 原案:武良布枝『ゲゲゲの女房』
- 主題歌:いきものがかり「ありがとう」
69話の感想
戌井さんにはモデルがいる
水木漫画を愛してやまない戌井さんですが、実在の人物がモデルとなっています。
東考社の桜井昌一さんという男性で、水木しげるさんは、この桜井さんのために『悪魔くん』を書きました。
その後の流れは、ドラマの通りなのですが、この桜井さんの ”水木漫画愛” にいつも支えられていたと、武良布美枝さんは著書『ゲゲゲの女房』の中で書いています。
桜井さんだって、崖っぷちの会社経営で苦労が耐えないというのに、本当に親身になってくれたのです。彼の励ましがどれほど、水木と私に力を与えてくれたか、わかりません。桜井さんとはお互いお金のない時代に惨めさを分かち合った同士ということもあり、水木にとっても私にとっても、もっとも親しみを感じる人物です。
(引用元:ゲゲゲの女房)
あぁやっぱりそうなんですね。
ドラマでは、水木漫画愛が強いあまりに向こう見ずとも思える戌井さんですが、共に戦った同士のような絆があったという、この手記に救われる気持ちです。
ちなみにこの ”桜井さん” は水木漫画に登場する『サラリーマン山田』のモデルだそう。
戌井さん…(笑)
サラリーマン山田に寄せたよね。
どうしようもないときこそ戦艦模型
こみち書房の美智子さんの夫・政志さんがいった「どうしようもないときこそ熱中するものが欲しくなる」という言葉。
それを聞いてからの戦艦模型づくりって、なんだか受け手の思いも変わりますね。

茂さんの道楽でしかないと思ってたんだけど。
違う何かに集中したあとに「こんなことしてる場合じゃなかった…」っていうどでかい後悔を味わうのが怖いのだけど、そうでもしなきゃやってられないこともありますよね。
困窮した状況で、並んで作業をする夫婦がとても幸せそうですが、とにもかくにも 藍子はどうした? と気になってしまいます。 (言うな)
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