27話からはじまった「ハンコ屋」が、まさかの感動の終着点をむかえる。
まんぷくは、すべてに意味がある。
29話のあらすじ(ネタバレ)
ハンコ作りで忙しい萬平(長谷川博己)たちを、手伝いたいという神部(瀬戸康史)。大阪帝大出身であること明かし、子どもたちの家庭教師をかってでる。
忠彦(要潤)は、神部を香田家に住まわせることに決めた。
その忠彦は、絵が描けなくなっていた。戦地での銃撃戦、近くで爆発した敵の焼夷弾に目をやられ、色がわからなくなったのだという。
闇市に出かけた福子(安藤サクラ)と萬平は、落ちぶれた姿の加地谷(片岡愛之助)をみつけ、詰めよる。
加地谷は謝罪し、萬平に劣等感を抱えていたことを明かした。そして「俺はもう日陰で生きて行く。生きて行く意味がわからない」と語る。
怒りがおさまらない福子だったが、萬平は静かに「もういい」と諭した。
使いをたのまれ、加地谷に会いにいった神部は「あきらめないでどうか生き抜いてください。あなたの人生の主役はあなたなんですから」と萬平からの言伝をつたえる。
手渡した小さな封筒には、萬平がつくったハンコがはいっていた。
29話の感想
ハンコガァァ、ハンコガァァァァ!
私の人生に、これほどハンコに泣かされる日がくるとは思ってもみなかった。
生きるためにはじめたハンコ屋家業が、加地谷に生きる力を与える。
自分はすでに死んだ、日陰で生きるといった加地谷に、萬平を羨んで転落した加地谷に、自分の人生を生きろと想いを伝える。主役は君だの「加地谷」印。
ハンコ、すごい。
「あきらめないで、どうか生き抜いてください。
あなたの人生の主役は、あなたなんですから。」加地谷さんの中にあったドロドロがすべて消えてなくなった瞬間かなって…#まんぷく #ぷく絵 #まんぷく絵 pic.twitter.com/yYbalOe5Hw
— どびー@LINEスタンプ (@oyajidobby) 2018年11月2日
神部、まさかの高学歴
今日もかわいい神部くんが、まさかの高学歴という事実に 学歴コンプレックスの 私はやられました。
頭いいの、かっこいい。(乏語彙力)
神部を家に住まわせようと、キャナメさんが言ったのも「家長」然としていてよかった。
さすがに「家長は私ですぅ」と鈴さんもイキらない(22話)
キャナメ忠彦さんの存在感とかっこよさが、戦後パワーアップしてみえる。
元来の”ボケ体質”から、”イケメンなのに3枚目”という役が定着しつつあったけれど(それも好き)、彼はいうまでもなくイケメン。
「仮面ライダーは若手俳優の登竜門」といわれる礎(いしずえ)を作ったようなひとり。『仮面ライダーアギト』G3なのだ。イケメン俳優なのだ。
なのに忠彦さん的な役をむしろ新鮮に感じて「やっぱかっこいい」と見惚れるシーンの多いことよ。庭にいた忠彦さんが居間にいるだけで、パワーアップする。
やっぱり加地谷は許せない
萬平さんは「もういい」と言ったけど、沸々とこみあげる福ちゃんの気持ちはよくわかる。
やっぱり許せない、憲兵からの拷問は尋常じゃなかった。
『聞き書き ある憲兵の記録』などの本には、憲兵の拷問がいかに非道だったかが記録されているし、戦後は戦犯として処分されたり、報復されたりしていた。
そんな状況に置かれてた萬平さんを想うと、
「自分でもなんで君を悪者にしようとしてたんかわからへん。君の才能がうらやましかった」
という加地谷の言葉は「は?何言っちゃってんの?」だし、泥棒にはいった神部に、克子姉ちゃんが放った「同情の余地なし!」はここでこそ発動すべき(28話)。
それにしても、戦争が終わると<憲兵がいなくなり>、それによって<憲兵に追われてた罪も消える>のかと、そんなことも初めて知りました。
加地谷スナフキン始めました。#まんぷく #ぷく絵 pic.twitter.com/D8w0HOme5B
— ささ。 (@puanda1122) 2018年11月2日
僕にはわかりませんけど
萬平からの伝言を加地谷につたえた神部が「僕にはなんのことかわかりませんけど」と言ったのもよかった。
萬平さんが詳しい事情を伝えていないことも良いし、夫婦の会話と言伝から少なからず何かを察したであろう神部が「なんのことかわかりません」といったのも良かった。
神部の存在が、物語の魅力に貢献しています。
「なんのために出てきたの?」と視聴者が戸惑うようなキャラクターが、投入されていないのが嬉しい。
コメント